連続市民セミナー第11回「健康を支えるスポーツ」が開催されました!
2016.10.26 FDセミナー・市民開放セミナー(旧:K³茶論)
平成28年10月11日(火)16時半から、県内9大学連続市民セミナー「健康長寿を考える」の第11回目を開催しました。今回は、長野保健医療大学 金物壽久教授より「健康を支えるスポーツ」と題して講演がありました。
金物氏は、健康寿命と平均寿命の差を「不健康余命」と位置づけ、どのように不健康余命を短くすることができるか、そのためのスポーツの意義を紹介されました。
女性に多い骨粗しょう症に触れ、骨粗しょう症にならないために骨の成長の盛んな小中学生の時期に骨量を伸ばすこと、若い時期に最大骨量を引き上げる重要性を述べるとともに、小中学生女子の運動しない割合の多さを懸念されていました。
本来スポーツの語源は、「仕事からの解放、遊び」という意味であったにもかかわらず、日本語に訳す際、国民教育、訓練の意味を加えて「体育」と訳したため、日本のスポーツ界に根強い「根性論」が始まってしまったのではないかと紹介し、現在においても精神論的な指導を脱していない現状に触れました。
傷害と休日の練習時間は比例するデータを指摘したうえで、少なくとも骨格系が完成する前に過度な筋力訓練は控えるべきだと述べ、所属されている「長野県中学生期のスポーツ活動検討委員会」から出した提言から、活動時間の基準、休養日の設定、十分な休養をとること、傷害をきちんと直すことを勧告したことを紹介されました。
最後にスポーツは楽しいから続けることができるのであり、楽しく続けるためには、発達に合わせたやり方で行うこと、自分に合ったスポーツの場を見つける、健康を害するほど無理してはいけない、ケガはきちんと治すことが大事だと述べられました。
当日の講演はこちらからご覧いただけます
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今回の講演は、長野保健医療大学を主会場に、他大学の会場へも遠隔配信され、44名の参加者がありました。参加者からは、「自分は運動に無縁な生活をしているため、危機感を持つことができた。」、「日本のスポーツの現状がよく分かった。」等の感想が寄せられました。
2015年10月から開催してきました本セミナーは、第11回をもちまして最後となります。会場にご参加いただきました皆様、こちらのホームページをご覧いただきました皆様に感謝申し上げます。 ありがとうございました。